PS5向けのHDMIケーブルの選び方・おすすめ
HDMI Ver2.0のテレビ・モニターご利用の方は「プレミアム ハイスピード」
理由は、PS5とウルトラ ハイスピードHDMIケーブルだけあっても、8K・4Kテレビ・モニターのHDMI端子がバージョンが2.0だと8K/60fps、4K/120fps入力できないからです。
今現在はHDMI Ver2.1搭載の8K・4Kテレビ・モニターはほとんど販売されていませんが、今後増えていくことが予想されるので、購入予定の方は「ウルトラハイスピード」認証取得のHDMIケーブルをおすすめします。
PS5にて8K/60fps、4K/120fps入力するために必要なもの
- PS5
- HDMI Ver2.1搭載の8K・4Kテレビ・モニター
- 「ウルトラハイスピード」認証取得のHDMIケーブル
HDMI Ver2.1のテレビ・モニターご利用の方は「ウルトラ ハイスピード」
HDMI Ver2.1搭載の8K・4Kテレビ・モニターにて、PS5の8K/60fps、4K/120fps入力することのできるHDMIケーブルは、「ウルトラ ハイスピード」認証を取得した製品だけになります。
「プレミアム ハイスピード」では4K/60fps入力が限界です。
ただし、「ウルトラ ハイスピード」認証を取得したHDMIケーブルの数が少ないので、有名メーカーのウルトラ ハイスピードHDMIケーブルは購入できない恐れがあります。
2020/12/17 追記
有名メーカーからも続々と発売されてきています。
サンワダイレクト HDMIケーブル 8K 4K 対応 UltraHD 8K HDMIケーブル 【PS5 対応】 48Gbps対応 超高速 1.5m…
エレコム HDMIケーブル イーサネット対応ウルトラハイスピード HDMI2.1 2.0m ブラック DH-HD21E20BK
ここから先は、HDMI2.1端子やウルトラハイスピードHDMIケーブルがどのような製品なのかご紹介する内容なので、ご説明の必要がない方は読み飛ばしてください。
HDMI2.0と2.1の違い
HDMI端子のバージョン | 2.0 | 2.1 |
---|---|---|
帯域幅 | 18 Gbps | 48 Gbps |
解像度/リフレッシュレート | 4K 静的HDR/60Hz フルHD 静的HDR/240Hz | 8K/60Hz 4K 動的HDR/144Hz フルHD 動的HDR/240Hz以上 |
VRR | × | 〇 |
ARC | ARC | eARC |
DSC | × | 〇 |
対応する HDMIケーブル認証 | プレミアムハイスピード | ウルトラハイスピード |
PS5は4K/120p & 8K/60p対応
PS5は、4K/120fps と 8K/60fpsの描画を可能とするモンスターマシンです。またPS5に採用されるHDMI端子のバージョンは2.1。
ですからPS5にぴったりのHDMIケーブルは、「ウルトラハイスピード」認証を取得した製品になります。
HDMI 2.1とウルトラハイスピードとは
静止画1枚ごとに輝度、コントラスト、色域を最適化するダイナミックHDR(動的HDR)
HDMI 2.0までは、ゲームタイトルならゲームタイトル全体に、映画タイトルなら映画タイトル全体に、均一な輝度(最大の明るさ)、コントラスト比、色域で表示していました。
暗かったり明るかったり、色あっざやかだったりくすんでいたり、さまざまなシーンがあるにもかかわらず、ゲームタイトル1本、映画タイトル1本まるごと、明るさや色合いが設定されていたわけです。
そのため、暗いシーンと明るいシーンでの表現力に差がなく、視認性の向上も、独特なエフェクト表現も、難しい状態でした。
一方HDMI 2.1からは、ゲームや映画のシーンごとに、それこそフレームごとに輝度(最大の明るさ)やコントラスト比、色域を最適化することができるようになりました。
ですから暗いシーンの輝度(最大の明るさ)を小さめにして、明るいシーンでは輝度(最大の明るさ)を大きめにするといった表現も可能となります。
動画を構成する静止画1枚1枚表現内容を変化させることができるので動的HDR(ダイナミックHDR)と呼ばれ、フレームごとに最適化(変化)できないHDMI 2.0までのHDRは静的HDRと、区別して表現されます。
可変リフレッシュレートをサポート(VRR対応)
固定リフレッシュレートの問題

スタッタリングは映像のカクつきのこと。映像をつくりあげるPCと映像を表示するテレビ・モニターが同期していないがゆえに発生する現象。
PCの描画が遅れてしまうと静止画1枚分の遅れが生じてしまうのです。そのためカクついた映像表現になってしまいます。

一方ティアリングは画面割れのこと。1枚の静止画像の中に複数の画像が描画され、ズレたような映像表現になります。
ティアリングもまた、PCとテレビ・モニターが同期していないがゆえに発生する現象の一つで、PCから次から次へと送り出される静止画がたまって、混ざってしまうのです。
可変リフレッシュレートのメリット
- タイムラグが少ない
- スタッタリング減少
- ティアリング減少
スタッタリングやティアリング現象は人と電車の関係性に似ています。
人と電車は同期していませんので、電車はあなたが遅刻していることにお構いなく、時間が着たら発車してしまいます。
遅刻したあなたは次の電車が来るまで待ちぼうけ。この待ちぼうけの状態がスタッタリングやティアリング現象の原因です。
今までのHDMIは固定リフレッシュレートと呼ばれ、30Hz、60Hz等に固定されていました。ちょっと遅れただけで次のリフレッシュ(映像切り替え)まで待たなければならないのです。
そこでGPUメーカーのAMDとNVIDIAは、テレビ・モニターに、PCとテレビ・モニターを同期させ、テレビ・モニターの映像表示のタイミングをPCにお任せ、可変リフレッシュレートを実現する機能を提供するようになりました。
これはタクシーに似ています。人とタクシーは電話等で同期しますので、出発のタイミングを自分のタイミングに合わせることが可能です。
可変リフレッシュレートであれば、PCの描画のタイミングに合わせて映像表示ができるので、PC側の描画が遅れてもそれに合わせてテレビ・モニターの映像がタイムリーに切り替わります。
AMDの可変リフレッシュレート機能の名前はFreeSync、NVIDIAの方はG-SYNCという名前です。
HDMI 2.1に(PS5も)採用される可変リフレッシュレート機能「GAME MODE VRR」
HDMI 2.0までは、固定リフレッシュレートでしたので、出力先であるテレビ・モニターが、AMD FreeSyncまたはNVIDIA G-SYNCに対応していなければ、可変リフレッシュレートにできませんでした。
PS4とPS4 Proもまた、AMD FreeSyncまたはNVIDIA G-SYNCに対応していなかったので、テレビ・モニターがAMD FreeSyncまたはNVIDIA G-SYNCに対応していても意味ありませんでした。
しかしPS5のHDMI端子はバージョン2.1。「VRR」に対応していることをソニー・インタラクティブエンタテインメントが公表しています。
「GAME MODE VRR」はAMD FreeSyncと同じような機能。テレビ・モニターがAMD FreeSyncまたはNVIDIA G-SYNCに非対応であっても、HDMI 2.1端子を採用していれば可変リフレッシュレートになります。
自動でゲームモードに切り替わるHDMI 2.1
HDMI 2.0までは、テレビ・モニター側の映像モードを手動で切り替えなければなりませんでした。
ゲーム専用のテレビ・モニターであれば問題ありませんが、ゲームだけでなく映画なども鑑賞するのであればとても面倒です。
一方HDMI 2.1からは、ゲームを表示すると自動でゲームモードに切り替わるようになります。
テレビ経由での非圧縮5.1ch / 7.1chをサポート(eARC)
ARC・eARC非対応 | ARC | eARC | |
正式名称 | – | Audio Return Channel | Enhanced Audio Return Channel |
バージョン | オプション機能なので Ver1.4以降でも非対応製品あり | 1.4から | 2.1から |
音声の伝送方向 | テレビのHDMIは入力のみ (一方通行) | 入出力できる (双方向) | 入出力できる (双方向) |
テレビ経由の音声伝送 | 不可 | 圧縮音源の多チャンネル ・Dolby Digital ・DTS Digital リニアPCM 2ch | 圧縮音源の多チャンネル ・Dolby Digital ・DTS Digital リニアPCM 2ch HDオーディオ ・Dolby Atmos® ・Dolby TrueHD ・DTS:X™ ・DTS-HD リニアPCM 5.1ch / 7.1ch |

上のイラストのようにARC非対応のHDMIケーブルだったり、ARC非対応のテレビ、もしくはサウンドバーを購入してしまうと、サウンドバーからはPS4のゲーム音しか出ません。
テレビのHDMI端子は基本的に入力用ですから、テレビのHDMI端子に接続した「Amazon FireTV」、ブルーレイ&DVDなどの音声はもちろん、テレビ番組の音ですらサウンドバーに音を出力できません。

そこで、テレビとサウンドバーの間に、HDMIケーブルだけでなく「光デジタルケーブル」も追加します。
こうすれば、PS4のゲーム音がサウンドバーから。PS4の映像はサウンドバーをパススルーしてテレビに出力。
テレビ番組の音や「Amazon FireTV」、ブルーレイ&DVDの音は「光デジタルケーブル」経由でサウンドバーに出力されます。

サウンドバー、テレビ、HDMIケーブル、すべてARC対応にすると、光デジタルケーブルが不要になります。
ARC対応のHDMIは入力だけでなく出力にも対応するからです。
上のイラストの場合、PS4のゲーム音はもちろん、テレビ番組の音も、テレビのHDMI端子に接続した「Amazon FireTV」、ブルーレイ&DVDの音もすべて、サウンドバーから出力されます。
ただし、テレビ経由で出力可能な音声の種類は、圧縮された(音が劣化する)サラウンドサウンドと、圧縮されていないステレオ2chだけになります。
そこで登場するのが、HDMI Ver2.1から対応した「eARC」。
「eARC」なら、圧縮されたサラウンドサウンドだけでなく、圧縮されていないサラウンドサウンドも、テレビ経由でサウンドバーに出力可能です。
HDMI 2.0までは、サウンドバーに直接接続したデバイスの音だけがDolby Atmos等の高音質サラウンドサウンドを可能としていました。
HDMI 2.1からは、サウンドバーに直接接続したデバイスの音だけでなく、テレビのHDMI端子に接続した「Amazon FireTV」、ブルーレイ&DVDの音もDolby Atmos等の高音質サラウンドサウンドで楽しめます。
8K/120Hzも実現できるDSC対応
HDMI 2.0の理論上の最大帯域幅は18 Gbpsです。いくら頑張ってもそれ以上の帯域幅は実現できませんので、18 Gbps以下の映像しか表示できません。
上限は4K HDR/60Hzまで。4K HDR/60Hz表示に必要な帯域幅がちょうど18 Gbpsくらいだからです。
HDMI 2.1の理論上の最大帯域幅は48 Gbpsです。表示できる上限は8K /60Hz YUV420カラーまで。
8K /60Hz YUV420カラー表示に必要な帯域幅がちょうど48 Gbpsくらいだからです。
しかしHDMI 2.1は、3倍圧縮技術である「DSC1.2」に対応したので、おおよそ3倍近い帯域幅を必要とする8K/120Hzを表示することも可能です。
圧縮されたサラウンドサウンド同様映像が劣化しますが、人間では識別できないレベルとのこと。
まとめ
HDMI2.1端子、それに対応するウルトラハイスピード認証のHDMIケーブルがすごいことはわかりましたが、
現状、HDMI2.1端子を採用するテレビ・モニターがとても少なく、今だとても高価なので、PS5でもしばらくはプレミアムハイスピードHDMIケーブルで事足りそうです。
HDMI2.1搭載の4K or 8Kテレビ・モニターが必須
PS5と「ウルトラハイスピード」認証を取得したHDMIケーブルだけあっても、PS5の性能を最大限に引き出すことはかないません。
4Kもしくは8Kのテレビが必要です。しかも、現存する4K・8KテレビすべてがPS5の性能を最大限に活かせるわけではありません。
なぜなら、4K・8Kテレビに搭載されるHDMI端子の多くがバージョン2.0を採用しているからです。
そのため、4K・8KテレビにてPS5の映像を4K/60Hz出力はできても、4K/120Hz出力はできません。
8Kテレビにて、8Kの放送を受信&表示はできても、PS5の映像は4K/60Hz出力までしかかないません。
4K/120Hz・8K/60Hzゲーミングモニターも販売されていますが、DisplayPortでの接続時のみ。HDMI端子は2.0なので、PS5を接続しても4K/60Hz出力まで。
ですから、SONYのブラビアZ9H、SHARPのアクオスCX1・BW1など、8KかつHDMI端子バージョン2.1が採用される製品を購入する必要があります。
Ver2.1採用の4K・8Kテレビを買うまではプレミアムハイスピードでOK
テレビのHDMI端子 Ver2.1 | テレビのHDMI端子 Ver2.0 | |
認証 | ウルトラ ハイスピード | プレミアム ハイスピード |
帯域幅 | 48 Gbps | 18 Gbps |
必要な帯域幅 | 4K/120Hz:約48 Gbps 8K/60Hz YUV420カラー:約48 Gbps | 4K HDR:約18 Gbps |
サンワダイレクト HDMIケーブル 8K 4K 対応 UltraHD 8K HDMIケーブル 【PS5 対応】 48Gbps対応 超高速 1.5m…
エレコム HDMIケーブル イーサネット対応ウルトラハイスピード HDMI2.1 2.0m ブラック DH-HD21E20BK