パソコンの温度が上昇すると、パフォーマンスが低下して、動作が遅くなったり、フリーズしたり、電源が落ちることもあります。冷却・熱対策を怠ったまま使い続けるとパソコンの寿命が短くなり、すぐに故障してしまうこともあります。つまり、正しい冷却・熱対策をすることで、とても高価なゲーミングPCの寿命を延ばすことができます。当ページでは、11の冷却方法・熱対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
手軽な 冷却方法・熱対策7パターン
扇風機・サーキュレーターをつかう
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窓を開けることでもパソコン周りの熱い空気がリフレッシュされますが、扇風機を使えば確実かつ高速に冷たい空気にリフレッシュできます。ただし、自分自身にも風が当たり続けてしまうと肌や目が乾燥したりするなど、体調への悪影響も考えられるので、直接あてるのではなく、天井などに向けることで空気を循環させるイメージで使うことをおすすめします。
部屋の空気を循環させる目的につくられた・サーキュレーターなる製品がありますので、サーキュレーターの方が扇風機よりおすすめ。
室温を下げる
最も手っ取り早い冷却方法・熱対策になります。窓を開けるなどして空気を循環させます。するとパソコン周りの熱い空気が、新鮮かつ冷たい空気にリフレッシュされますので、結果的にパソコンの熱を抑制できます。夏であればエアコンを活用することで室内の空気の温度を下げます。
PCの周り 特に吸気口の周りに空間をつくる
サーキュレーターを使って空気の循環を改善したり、エアコンにて空気を冷やしたとしても、パソコン周りに広めの空間がなければ、高い効果は見込めません。冬に衣服を着こむのと同様、パソコン周りに様々なものがあると衣服のような役割を果たすので、パソコン周りの空気は熱いまま。
つまり、パソコン周りはできる限りすっきりさせる必要があります。特に、吸気口の周りには広い空間をつくっておきましょう。パソコン内部の熱い空気を外に排出できません。
PCを移動する
どうしてもパソコン周りに広い空間をつくることができないのであれば、パソコン本体を移動させましょう。おすすめの引っ越し先は、空気が循環される場所。窓と窓の直線状を意識したり、エアコンの直線状なんかもよいと思います。
できる限り周りのものはパソコンから離して置き、パソコンにとっても、ゲームする自分にとっても、良い環境を構築します。
PCの吸気口を掃除する
ホコリもまた、衣服を着こんでいるのと同様の効果をもたらします。ホコリの場合、周りにモノがたくさんあるとき以上に熱がこもります。衣類といより毛布や布団に包まれているレベル。パソコンの掃除を怠るいうことは暑い時期に毛布にくるまっていることと同義です。
吸気口に詰まるホコリだけであればピンセットにて取り除くことができるので、面倒ではありますが比較的カンタン。
冷却ファンを使う
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パソコンの内部にはCPUクーラーが搭載されていますが、外からも冷却ファンを当てることで、パソコン周りの熱い空気をリフレッシュさせます。サーキュレーターとは異なり、冷却ファンは直接パソコンに風を当てることになります。
直接あてるかあてないかの違いはあれど、サーキュレーター同様空気を循環させることが目的。風を当ててもパソコンが冷えるわけではないことに注意。
アルミ素材のスノコや台・スタンドを下敷きにする
ヒートシンクとは放熱を目的とする部品のことで、熱伝導率の高いアルミや銅素材が採用されています。銅より軽く安いアルミは、Macbookやスマホの筐体としても使われる熱伝導率の高い素材の一つ。アルミ素材のスノコや台はパソコンの下敷きにしたり上にのせることで、高い冷却効果を期待できます。
面倒な 冷却方法・熱対策4パターン
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PC内部を掃除する
パソコンは、吸気口を活用することで内部も空気循環させています。ですからパソコンの内部にもホコリがたまります。定期的に取り除かなければ、綿ホコリがゆっくりとたまっていくことに。面倒ですが、パソコンをあけて内部を掃除すると冷却・熱対策になります。
パソコンのメンテナンス・修理業者に、1,000~4,000円くらいで依頼することもできます。
CPUグリス(放熱グリス)の塗りなおし
CPUから発生する熱を移動させるため、CPUクーラーを密着させて設置されます。しかし、微細な凹凸があるゆえ効率的に熱移動ができません。この微細な凹凸を埋め、熱伝導率を上げるためにCPUグリス(放熱グリス)が塗られていますが、月日とともに劣化するので熱伝導率が下がってしまいます。
PC内部を掃除する以上に専門知識が必要で、面倒なところが欠点。パソコンのメンテナンス・修理業者に、500~2,000円くらいで依頼することもできます。
CPUクーラーの交換
CPUグリスの塗りなおしより難しく、メーカー保証も受けられなくなる恐れもありますが、もし保証を受け入れられるのであれば、CPUクーラーを交換するという手もあります。デスクトップだけが選択できる冷却・熱対策でしたが、最近のゲーミングノートPCであればCPUクーラーを交換できる製品もあります。
CPUクーラーも、CPUグリス(放熱グリス)同様に、月日とともに劣化します。パソコンのメンテナンス・修理業者に、5,000~15,000円くらい(クーラー込み)で依頼することもできます。
ストレージがHDDならSSDに換装
最近は減りつつありますが、価格が安いことと容量が大きいことから、いまだにHDDストレージは重宝されています。欠点はSSDに比べて衝撃と熱に弱く、音が大きいこと。消費電力が高いゆえに熱を発生しやすく、モーターが駆動する仕組みが故音が大きいのです。
ですから消費電力が低く音の小さいSSDに換装してしまえば冷却・熱対策になります。パソコンのメンテナンス・修理業者に、10,000~20,000円くらい(SSD込み)で依頼することもできます。
氷や濡れタオルは故障の原因になるので注意
氷や濡れタオルは、結露が発生してしまうことで故障の原因になります。使わないよう気を付けましょう。
まとめ
3つのポイント:メンテナンス・空気循環・熱伝導性
冷却方法・熱対策をする際は、「メンテナンス」「空気循環」「熱伝導性」といった3つのポイントを意識すると効率の良い冷却・熱対策ができます。例えば家に金属製の籠があり、土台としてしっかり固定できるのであれば、パソコンの下敷きにして使うことで熱対策が可能です。
パソコン下の空気循環の解決と熱を移動させることのできる金属と、かなり高い冷却効果を期待できるかと思います。籠の中にUSB卓上扇風機を設置できるのであれば、さらに空気循環が改善されるので、より高い効果を望むことができます。
「メンテナンス」「空気循環」「熱伝導性」といった3つのポイントさえ抑えていれば、家にあるものでも冷却・熱対策可能です。
物質別 熱伝導率 比較
物質 | 熱伝導レベル | 注意 |
ダイヤモンド | レベル100 | 高価過ぎるので 冷却・熱対策として使えない |
銅 | レベル40 | 安価だが重たいので 銅製のスタンドや台は売ってない |
アルミニウム | レベル30 | 安価かつ軽い アルミ製のスタンドや台はたくさん売ってる 熱対策目的かつ保護目的に スマホやMacBookにも採用されている |
鉄 | レベル10 | アルミより安価だが、かなり重たい 鉄製のスタンドや台はたくさん売ってる |
ステンレス | レベル8 | アルミよりも重く高価 ステンレス製のスタンドや台は売ってない |
ガラス | レベル7 | おしゃれなテーブルの天板として活躍 比較的高価だが、よく売っている |
木材 | レベル-6 | 熱伝導率が低すぎる パソコンを置く台として活躍しているが 熱対策としては期待できない |
羊毛 | レベル-8 | 熱伝導率が低すぎるので パソコンとの相性が良くない |
空気 | レベル-80 | 圧倒的に熱伝導率が低い 空気を循環させたり、 空気そのものを冷やさなければ パソコンにとって良い環境は構築できない |
- レンガのように分厚い金属
- パソコンより大きな板状の金属
熱伝導率の高い物質を使ってパソコンを効率よく冷やすためには、厚さと広さに気を配る必要があります。例えばレンガのような形をしたアルミニウムをパソコンの上に乗せたとします。
パソコンと設置する面から、パソコンの熱さが反対側の面に向かって移動していきます。一方反対側の空気に触れている面は、比較的冷たい室内の熱が、パソコンと接する面に向かって移動します。
移動距離は短いより長いほうが、パソコンから距離を離すことができるので、5mmより1cm、1cmより5cmの厚さがあるほうが、効果的に冷却・熱対策が可能です。
薄いアルミニウムを使う場合であれば、パソコンからはみ出るほどに広い板のようなものを乗せると効率的に冷却・熱対策できます。パソコンに触れている面は熱くなりますが、触れていない面は空気に触れているのでひんやりします。ひんやりさせる面がなければ、冷却・熱対策として効率が悪くなりますので、パソコンより広い板状の金属を使うと良いと思います。
10円玉は薄くて小さいので微妙
10円玉の素材は銅95%。そのため10円玉冷却法は理論上効果があるということになります。ただし、薄くて小さいので、冷却・熱対策としての効果は薄いものと推測できます。
10円玉を3枚、もしくは5枚重ねると効率が上がるように感じますが、CPUとCPUクーラーの間に塗るCPUグリス(放熱グリス)などにより対策しなければ、効率は思うように上がりません。
10円玉は、CPUとCPUクーラー以上に凹凸がありますので、間に空気が挟まっていることになるからです。空気は熱伝導率が悪いので、銅の熱伝導率が活かせないのです。
表を見ていただくとわかる通り空気は、熱伝導率が非常に低いので、空気循環させない限り熱くなった空気は逃げていきません。10円玉と10円玉の間の空気を循環させなければならないのであれば、扇風機だけでもあまり差はないものと考えられます。
11のパターンすべて活用すると冷却・熱対策の効率アップ!
- サーキュレーターで室内の空気循環の効率向上
- エアコンで空気を冷やす
- アルミ台にパソコンを乗せる
- アルミ台の下に扇風機を設置→空気循環の効率向上
- PCの周りの空間づくり
- 窓と窓、もしくはエアコンの直線状に移動
- 定期的に吸気口を掃除
- 定期的にPC内部を掃除
- 定期的にCPUグリス(放熱グリス)の塗りなおし
- もしくは 定期的にCPUクーラーの交換
- HDDならSSDに換装
ご紹介する11のパターンすべてを箇条書きにしましたが、どれか一つや2つといわず、11すべての冷却・熱対策をすることで効果が倍増します。特におすすめしたいパターンの組み合わせは、アルミ台とサーキュレーターの組み合わせ。今までもしパソコンを木(床・テーブル等)やガラス台の上に置いていたのであれば、かなり高い冷却効果を実感できると思います。
定期的なメンテナンスについては、CPUグリス(放熱グリス)の塗りなおしをするくらいなら、CPUクーラーを交換してしまったほうが良いという考え方もあります。1年に1度CPUグリス(放熱グリス)の塗りなおしを行い、3年に1度CPUクーラーを交換するのか、2年に1度CPUクーラーだけ交換するのかといった選択ができます。
- CPUグリス(放熱グリス)の塗りなおし時期:2年目安
- CPUクーラー時期:3年目安
- パソコンの買い替え時期:5年目安