2022年10月28日発売のLG 32GN650-Bゲーミングモニターについて詳しくご紹介したいと思います。32GN650-Bの何がすごいのか、専門用語をかみ砕きながらわかりやすくご紹介します。
32GN650-B 概要
LG ゲーミングモニター UltraGear 32GN650-B 31.5インチ/WQHD/VAアンチグレア /165Hz/1ms MBR/HDR/FreeSync…
- 価格47,000円(税込)
- 31.3インチ VA液晶 WQHD(2560×1440)/165Hz
- HDR10(標準輝度:350 cd/m2)
- 応答速度5ms(GTG)
- AMD FreeSync™ Premium
- DAS(Dynamic Action Sync) モード
- 1ms Motion Blur Reduction(120/144/165Hz)
- Black Stabilizer
- sRGB 95%
- HDMI 2.0×1、DisplayPort1.4×1
遅延を少なくできるDASモード
液晶であろうと有機ELであろうと、テレビ・モニターはフレームバッファと呼ばれる貯水槽に、つくられた映像を一度格納します。フレームバッファの役割は全く同じです。
貯水槽は、いっぺんにみんなが水を使っても水が枯渇しないようにすることを目的にしています。フレームバッファも同様に、映像をつくる作業に遅れてしまったとしても、画面の表示を止めずに切り替えることができることを目的にしています。つまり、つくった映像を直接画面に映し出すのではなく、遠回りして画面に映し出すことになるのでその分遅延が発生するのです。
DASモードは、フレームバッファへの格納をしないで画面に映像を出力します。つまり映像遅延が少なくなるのです。
LGは安くてもHDRの性能をカットしない

ゲーム開発者の多くはHDR10対応のゲームコンテンツをつくる際に、輝度の最大値を1,000 cd/m2にして制作しています。またゲーム開発者は、ゲーミングモニターの最大輝度の多くが400 cd/m2であることも知っています。つまり、最大輝度を1,000 cd/m2にしつつも、400 cd/m2をも意識して作っているのです。
理由は、モニターの最大輝度が、1,000 cd/m2よりも低くなればなるほどに、HDRの映像の視認性が悪化留守からです。理想的には1,000 cd/m2以上、できれば600 cd/m2、最低でも400 cd/m2あるゲーミングモニターがおすすめです。
しかし激安HDR10対応ゲーミングモニターの中には、安さを重視した結果、輝度250 cd/m2という製品まで販売されているのです。HDR10対応とは、HDR10対応のゲームコンテンツを表示できるというだけで、どのように表示するのかまではモニターそれぞれ違っていいのです。つまりHDR10の性能が低くても問題ないわけです。
32GN650-Bは、WQHD HDR10/165Hzゲーミングモニターの中では、激安とはいかないまでも安い方です。しかし標準輝度は350 cd/m2。最大輝度は非公開ですが、標準が350 cd/m2なら期待できます。つまり32GN650-BのHDR10表示は、エントリーモデル相当であり、HDR10コンテンツをそこそこ視認性高い映像に仕上げることができるゲーミングモニターということになります。
ブラック スタビライザー機能を使えば暗い場所を明るく調整できる
32GN650-Bにはブラック スタビライザー機能も搭載されています。安いHDR10対応ゲーミングモニターを買ってしまうとHDR10オンにした映像が暗くなりがちですが、32GN650-Bであれば暗い場所も明るく視認性を調整できます。
応答速度5msは決して遅くない
最近のゲーミングモニターの応答速度は1ms(0.001秒)が当たり前になってきました。1ms以下の製品まで発売されるようになったので、5ms(0.005秒)と聞くと遅く感じますが、実は、リフレッシュレート165Hzであれば十分な速度です。
リフレッシュレートとは画面に映る映像を更新することのできる速度のことです。リフレッシュレート165Hzの場合、6ms(0.006秒)ごとに画面を更新します。一方応答速度は、リフレッシュされた映像に合わせて液晶パネルの色を変化させる速度のことです。つまり5ms(0.005秒)間で色の変更を完了できます。
6msのペースで映像を受け取り、5msのペースで色を変更させているのです。1ms待っている余裕すらあります。応答速度が遅いと残像感を発生させて視認性を悪化させますが、リフレッシュレート165Hzに対して応答速度5msあれば、残像感を発生させにくく、視認性高い状態でゲームを続けられます。
おすすめの相手・ゲーマー
FPSもRPG・アドベンチャー・ホラーも大好きな人

32GN650-Bのリフレッシュレートは165Hzです。リフレッシュ時のタイムラグは0.006秒(6ms)。人間の目が認識できる遅延は8ms前後。一般的なテレビ・モニターのリフレッシュレートは60Hz(タイムラグ16.6ms)と比較しても、32GN650-Bは十分にFPS向けといえます。
また32GN650-Bは、VAパネルゆえ、TNパネルやIPSパネルに比べてコントラスト比が3倍優れています(3000:1)。TNパネルやIPSパネルでは、最大輝度400 cd/m2の場合の最低輝度は0.4 cd/m2です。一方32GN650-Bの最低輝度は0.13 cd/m2。つまり32GN650-Bの映像は、暗い場所と明るい場所の強弱を、TN・IPSの3倍はっきりくっきり表現できるので、暗いシーンの表現力が高いのです。色鮮やかな表現ができますから、RPG、アドベンチャー、ホラーゲームにもお勧めできます。
32GN650-Bにおすすめのスペック
- GeForce RTX 2060以上搭載のゲーミングPCご利用の方
- PS5をご利用の方
- Xbox Series Xをご利用の方
32GN650-Bの性能を十分に生かすために必要な、ゲーミングPCのGPUは、GeForce RTX 2060以上。軽い部類のゲームソフト(Apex Legendsなど)であれば、WQHD(低画質)160Hz以上、WQHD(高画質)100Hz以上でプレイできるでしょう。
HDMIケーブル接続時のリフレッシュレートは最大144Hz。PS5とXbox Series XにてWQHD/120Hzが可能です。WQHD HDR10/120Hzの場合には、カラーフォーマットがYUV422(HDR)になると思います。PS5とXbox Series Xの性能は、GeForce RTX 2060 Super~GeForce RTX 2080相当です。
32GN650-B まとめ
LG ゲーミングモニター UltraGear 32GN650-B 31.5インチ/WQHD/VAアンチグレア /165Hz/1ms MBR/HDR/FreeSync…
画面サイズ | 31.5インチ |
---|---|
パネルタイプ | VA液晶 ノングレア |
最大解像度 | WQHD(2560×1440) |
リフレッシュレート | DisplayPort:165Hz HDMI:144Hz |
可変リフレッシュレート(VRR) | AMD FreeSync Premium |
応答速度 | 5 ms(GTG) |
バックライト技術 | – |
HDR | HDR10 |
輝度 | 標準:350 cd/m2 |
コントラスト比 | 3000:1 |
色域 | sRGB 95% |
最大表示色 | 約1,677万色 |
視野角(上下/左右) | 178゜/ 178゜ |
フリッカー機能 | 〇 |
ブルーライト軽減機能 | 〇 |
PIP/PBP | × |
画質モード | |
その他の機能 | Smart Energy Saving 工場出荷時キャリブレーション済 DAS(Dynamic Action Sync) モード 1ms Motion Blur Reduction(120Hz/144/165Hz) Black Stabilizer Crosshair OnScreen Control OSDジョイスティック HDCP 2.2 |
PCソフトウェア | – |
ライティング | – |
スピーカー | なし |
マイク | なし |
入出力端子 | DisplayPort 1.4×1 HDMI 2.0×1 ヘッドホン出力 x1 (3.5mm Jack) |
高さ調節 | 110 mm |
チルト | -5˚ – 15˚ |
スイベル | – |
ピボット | 90° |
壁掛け | VESA 100 × 100 |
消費電力 | 電圧レート100 – 240V 電源アダプター 消費電力 ( 標準)60 W 消費電力 ( 最大 )63 W 消費電力 ( スタンバイ時 )0.5 W 消費電力 ( 電源OFF時 )0.3 W |
サイズ(幅×高さ×奥行) | スタンドあり:約715×490~600×292 mm スタンドなし:約715×428×51 mm |
重量(単位) | スタンドあり:約7.2 kg スタンドなし:約5.1 kg |