2022年7月中旬発売のLG 32GQ950-Bゲーミングモニターについて詳しくご紹介したいと思います。32GQ950-Bの何がすごいのか、専門用語をかみ砕きながらわかりやすくご紹介します。
32GQ950-B 概要
LG ゲーミングモニター UltraGear 32GQ950-B 31.5インチ/4K/Nano IPS/1ms(GtoG)/144Hz/HDMI 2.1対応/G-SYNC…
- 価格160,000円(税込)
- 31.5インチ 4K (3840 x 2160) /144Hz (オーバークロック160Hz)
- Nano IPS液晶
- HDR10 / VESA DisplayHDR1000(最大輝度:1000cd/㎡)
- 応答速度1ms(GTG)
- AMD FreeSync™ Premium Pro / NVIDIA G-SYNC™ Compatible / VRR(HDMI 2.1)
- DTS Headphone:X
- HDMI 2.1×2、DisplayPort1.4×1
本当の意味で開発者の意図するHDR10出力できる激安モニター

ゲーム開発者の多くは、ゲームコンテンツを開発するときに、輝度の上限を1000cd/㎡に設定して作っています。しかしゲーミングモニターの最大輝度の多くは400cd/㎡です。
HDR10の仕組みとしては401cd/㎡以上の明るい部分は、最大輝度400cd/㎡のモニターでは表現できません。つまり、同じ真っ白で表現されるので、いわゆる白飛びします。区別がつかないのです。上のイラスト左部分が白くなっていると思いますが、もしもここに敵がいてもわかりません。同じ白色で表現されるからです。
一方32GQ950-Bは、VESA規格のDisplayHDR1000のHDR10性能を満たします。最大輝度は1000cd/㎡。ゲームコンテンツと同じ最大輝度を有しているのです。ですから輝度1000cd/㎡のゲーム映像部分もそのまま輝度1000cd/㎡で表現できるのです。つまり、ゲーム開発者が意図する明るさ表現が可能なのです。
DisplayHDR600ですら20万円近くするゲーミングモニターもありますから、32GQ950-Bはかなりコスパ高すぎる製品です。
直下型エリア駆動対応なので暗いシーンの表現もバッチリ
32GQ950-Bは、最近の高級テレビで有名な直下型エリア駆動対応です。公式サイトを見て「直下型エリア駆動だなんて一言も書いていないじゃないか!」と思うかもしれませんが、実は、DisplayHDR1000対応と表示されているということは、直下型エリア駆動できますと言っているのと同じことです。
DisplayHDR1000は最大輝度1000cd/㎡以上でなければなりません。それと同時に最低輝度0.05cd/㎡以下でなければならないのです。しかし32GQ950-Bのコントラスト比は1000:1。つまり、最大輝度が1000cd/㎡の場合、最低輝度1cd/㎡の表現しかできないのです。
最低輝度1cd/㎡以下、それも20分の1(0.05cd/㎡)もの暗さ表現を実現するためには、バックライトを直下型にして、細かいエリア別に分けて、明るさ調整するしか実現する方法がないのです。
通常のバックライトはすべてのLEDライトが同じ明るさで制御されますので、液晶パネルだけでどうにかこうにか1000:1のコントラスト比を実現しています。
32GQ950-Bの場合、液晶パネルだけでなく、バックライトの力も使って、最大輝度1000cd/㎡、最低輝度0.05cd/㎡以下を実現しています。つまり32GQ950-Bは、他のIPS液晶モニターよりも、理論上は20倍以上暗い表現が得意だということになります。
IPSとは違うのだよ、IPSとは! 格の違う色鮮やかさ
32GQ950-Bに採用されるIPSパネルは通常のIPSパネルとは異なります。Nano IPS。通常のIPSパネルではLEDバックライトを赤・青・緑といったカラーフィルターを通すことで色を変化させています。
一方Nano IPSの場合には、LEDバックライトを直径数ナノメートルサイズの微粒子レベルにすることで、今までカラーフィルターではろ過しきれなかった余分、かつ不要な光をも吸収し、今まで再現できなかったレベルの色域(色彩の鮮やかさ)を実現します。
数値でIPSとNano IPSの違いを比べるとその差は歴然。IPSはsRGB100%の色域(色彩の鮮やかさ)が限界ですが、Nano IPSならsRGB135%のカバー率を実現します。つまり、人間の目が近くできる色の範囲にIPSの35%も近づけた色表現ができるのです。
DTS Headphone:X対応
DTS Headphone:Xはヘッドフォン用のバーチャルサラウンド技術です。ヘッドフォンは左右1つずつ、合計2つのスピーカーしか搭載されていませんが、疑似的に最大11個のスピーカーに囲まれたような臨場感を実現します。
ゲームスタジオの空間丸ごとデータ化することで、ゲーム開発者が意図するサウンドを忠実に再現できます。残響、音の反射、響き、各スピーカーの距離感といった情報をシュミレーとします。つまり定位抜群でFPSで有利。
32GQ950-Bに必要なスペック
- GeForce RTX 2060以上搭載のゲーミングPCご利用の方
- PS5をご利用の方
- Xbox Series Xをご利用の方
32GQ950-Bの性能をフル活用するために必要なゲーミングPCのGPUは、GeForce RTX 2060以上。GeForce RTX 2060なら、軽い部類のゲームソフト(Apex Legendsなど)にて4K(低画質)100Hz以上を実現できます。
安定して4K(低画質)120Hzを実現したい場合には、GeForce RTX 3070以上がおすすめです。PS5とXbox Series Xの性能は、GeForce RTX 2060 Super~GeForce RTX 2080相当の性能がありますので、4K/120Hz(HDMI2.1 VRr対応)でゲーム可能です。
32GQ950-B まとめ
LG ゲーミングモニター UltraGear 32GQ950-B 31.5インチ/4K/Nano IPS/1ms(GtoG)/144Hz/HDMI 2.1対応/G-SYNC…
画面サイズ | 31.5インチ |
---|---|
パネルタイプ | Nano IPS ノングレア |
最大解像度 | 4K (3840×2160) |
リフレッシュレート | DisplayPort:144Hz HDMI:144Hz |
可変リフレッシュレート(VRR) | AMD FreeSync Premium Pro NVIDIA G-SYNC Compatible VRR(HDMI 2.1) |
応答速度 | 1 ms(GTG) |
バックライト技術 | Nano IPS 直下型エリア駆動 |
HDR | HDR10 VESA DisplayHDR1000 |
輝度 | 最大輝度:1000 cd/m2 標準:450 cd/m2 |
コントラスト比 | 1,000:1 |
色域 | DCI-P3 98% |
最大表示色 | 約10.7億色 |
視野角(上下/左右) | 178゜/ 178゜ |
フリッカー機能 | 〇 |
ブルーライト軽減機能 | 〇 |
PIP/PBP | × |
画質モード | |
その他の機能 | Smart Energy Saving ハードウェアキャリブレーション 工場出荷時キャリブレーション済 DAS(Dynamic Action Sync) モード Black Stabilizer Crosshair FPS カウンター アンビエントライト(Hexagon Lighting) OnScreen Control LG Calibration Studio DTS Headphone:X OSDジョイスティック HDCP 2.2 |
PCソフトウェア | – |
ライティング | – |
スピーカー | – |
マイク | なし |
入出力端子 | DisplayPort 1.4×1 HDMI 2.1×2 USB 3.0(Upstream)x1 USB 3.0(Downstream)x2 ヘッドホン出力 x1 (3.5mm 4極:ヘッドホン出力+マイク入力) |
高さ調節 | 110mm |
チルト | -5゚ / 15゚ |
スイベル | – |
ピボット | 90º |
壁掛け | VESA 100 × 100 |
消費電力 | 電圧レート100 – 240V 電源アダプター 消費電力 ( 標準)85 W 消費電力 ( 最大 )200 W 消費電力 ( スタンバイ時 )0.5 W 消費電力 ( 電源OFF時 )0.3 W |
サイズ(幅×高さ×奥行) | スタンドあり:約719×491-601×278 mm スタンドなし:約719×421×60 mm |
重量(単位) | スタンドあり:約11.6 kg スタンドなし:約9.3 kg |
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