ゼンハイザー『GSP』シリーズハイエンドモデルは双子の兄弟
『ゼンハイザー』の『GSP』シリーズハイエンドモデルは2つあります。『GSP600』と『GSP500』の2種類。
数字が100少なく、価格も『GSP500』の方が安いので、『GSP500』は『GSP600』の下位モデルのように感じますが、この2つは同列。まるで双子の兄弟のように同じような製品です。
違いは一つだけ。『GSP600』が密閉型で、『GSP500』が開放型です。この一つの違いからくるメリットを活かすため、それに関連する仕様を変え、それぞれの特徴がより強調されています。
ヘッドホン構造が違う

密閉型の『GSP600』
スピーカーは、表から(耳側)も裏からも同じように音を発しています。「密閉型」のヘッドホンは、裏側だけを密閉して音漏れをしない構造のものをいいます。
そのためスピーカーのサウンドが外に漏れにくく、外部の音が入りにくい構造です。外出先でも使えますし、家で使ってもご家族や恋人に迷惑をかけません。
おおよそですが、掃除機の騒々しい音であっても「密閉型」であれば、普通の会話程度の音に下げることができます。
低音に強く力強いサウンドが特徴で、「開放型」より迫力あるサウンド体験ができます。ゲームの世界に没入でき、高い集中力を持って対戦できることがメリットです。
ただし欠点もあります。密閉されているので、長時間ゲームすると熱がこもり、蒸れやすくなります。
コンサートホールのように、小さなドーム状の空間内で音が反響するので、共鳴して音が歪んでしまうといったデメリットもあります。
耳を手で覆ってみるとなんとなく感じていただけるかと思いますが、全体的に音が低くなりがちで音がこもりがち。音の圧力を強く感じるので聴き疲れしやすく、高い音には弱いといえます。
開放型の『GSP500』
「開放型」は「密閉型」と真逆で、スピーカーの裏側をメッシュ状にして開放している構造したヘッドホンです。
密閉していないので広い空間を利用したサウンドになります。共鳴して音が歪んだり、特定の音が強調されない構造なので、一つ一つの音が他の音に埋もれてしまうことがありません。
音がこもらず、塞がれていないために蒸れにくい利点があります。また高音の伸びが良いという特徴があり、音質が良いのでハイエンドヘッドホン(ゲーミング以外)によく採用されます。
音の圧迫感もないので、蒸れにくさとの相乗効果で、つけ心地は「密閉型」より断然上です。分厚い蓋をしていないので軽く仕上げることができます。
ただし「開放型」にも欠点があります。密閉していない構造なので、音が外に筒抜けです。もちろん外部の音も普通に聞こえてしまいます。
騒々しい環境でゲームをしなければならない方にとっては、せっかく音質が台無し。ゲームの世界観も残念なものになりかねません。
また騒々しい環境の場合にはゲームに集中することができないといった欠点が挙げられます。
少し音圧が違う
「密閉型」の影響かと思いますが、仕様上『GSP600』の方が『GSP500』より5dBだけ音圧が高いです。
音圧とは音量だけでなく音の圧力といった感覚部分です。「密閉型」の特徴の通り、『GSP600』の方が迫力を感じるということになります。
イヤーパッドの素材が違う
密閉型の特徴をより活かすため『GSP600』はレザーとスエード調素材の混合
『GSP600』は「密閉型」のゲーミングヘッドセットです。「密閉型」は耳を覆ってしまう構造上、どうしても装着感において「開放型」に劣ってしまいます。
そこでイヤーパッドにレザーとスエード調素材を使うことで、できる限り不快感を減らす努力をしつつ、より利点を強化する選択をしたのだと考えられます。
スエード調素材の特徴はひんやりした肌触り。「密閉型」構造の欠点、熱がこもりがちな部分の欠点をできる限り解消するためだと考えられます。
外側部分に遮音性の高いレザーレットを採用することで、「密閉型」構造の利点・遮音性を強化。理にかなった設計だと思います。
開放型の特徴をより活かすため『GSP500』はファブリック
『GSP500』は「開放型」のゲーミングヘッドセットです。「開放型」そもそも筒抜け状態の構造なので、遮音性に配慮する意味がありません。装着感を高めることだけに集中できるのです。
そこでイヤーパッドの素材には、肌触りがよく通気性も良い布(ファブリック)が選択されたのだと考えられます。
レザーの場合、通気性にかけ、熱がこもりやすく蒸れやすいといった欠点がありますが、布素材はその真逆の特徴を持っています。
快適なつけ心地を持って、長時間のゲームプレイを実現させてくれます。
「密閉型」と「開放型」の違いだけであなたの好み・使用環境に合わせることができる『GSP600』と『GSP500』
『GSP600』と『GSP500』は、「密閉型」と「開放型」の違い以外はほとんど同じ製品です。違いがあってもそれは、「密閉型」と「開放型」それぞれの特徴をより強化されるためのものです。
そのため、あなたがゲームをする環境や使い道、もしくは音質の好みに合わせてどちらかを選択することができるということになります。
どちらもスピーカーやマイクの性能は全く同じですので、どちらを選んでも満足のいくゲーム体験が可能となるはずです。
『GSP600』と『GSP500』の仕様比較
項目 | GSP600 | GSP500 |
---|---|---|
発売日 | 2018年3月21日 | 2018年4月26日 |
スペック | ハイエンド | ハイエンド |
Amazon税込価格 | 約27,480円 | 約24,580円 |
ヘッドホン | ダイナミック周波数応答:10Hz~30,000Hzインピーダンス:28Ω音圧レベル:112dBSPL/mW (1kHz時)T.H.D.:未公開 | ダイナミック周波数応答:10Hz~30,000Hzインピーダンス:28Ω音圧レベル:107dBSPL/mW (1kHz時)T.H.D.:未公開 |
サラウンド | サラウンド:✕PC:ステレオPS4:ステレオその他のコンシュマー:ステレオスマホ・タブレット:ステレオ | サラウンド:✕PC:ステレオPS4:ステレオその他のコンシュマー:ステレオスマホ・タブレット:ステレオ |
触覚(振動)テクノロジー | ✕ | ✕ |
イコライザー設定 | ✕ | ✕ |
マイク | エレクトレットコンデンサーノイズキャンセリング跳ね上げ式周波数応答:10Hz~18,000Hz感度:-47dBV/PA | エレクトレットコンデンサーノイズキャンセリング跳ね上げ式周波数応答:10Hz~18,000Hz感度:-47dBV/PA |
接続方法 | 3.5mm(4極)プラグ | 3.5mm(4極)プラグ |
イヤーパッド | 形状記憶イヤーパッド外周:レザーレット肌が触れる部分:スエード調素材 | 形状記憶イヤーパッドファブリック |
重さ/マイク含む | 未公開 | 未公開 |
オーディオミックス | ✕ | ✕ |
モバイルデバイス | 3.5mm 4極 アナログ | 3.5mm 4極 アナログ |
ライト | ✕ | ✕ |
サウンドコントロール | イヤーカップにヘッドホン音量調節ダイヤルマイクの跳ね上げでミュート | イヤーカップにヘッドホン音量調節ダイヤルマイクの跳ね上げでミュート |
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