【PS4】は『Bluetooth』対応だけど音声(オーディオ)には非対応
結論から言いますと、【PS4】は『Bluetooth』オーディオには非対応で、『Bluetooth』接続可能なデバイスは「入力デバイス」だけに限ります。
『Bluetooth』。ワイヤレス通信が無料かつ手軽なとても便利な通信方法で、特に私たちの音楽鑑賞を便利にさせてくれる嬉しい技術ですが、実は奥深い通信技術です。
「プロファイル」と呼ばれ、開発者は、各『Bluetooth』デバイスが『Bluetooth』を使って何ができるかを決めることができるのです。
そのため通信しようとする『Bluetooth』デバイス同士が同じ「プロファイル」を持っていないと、その「プロファイル」の機能を利用した通信を行うことができないのです。
『Bluetooth』といえば音楽といったイメージがとても強いので、【PS4】が『Bluetooth』対応だと記載あると、どうしても音声のワイヤレス通信も可能なのではと思ってしまいがちですが、実は非対応だったのです。
ですからPS4コントローラーやマウス、キーボードなどの「入力デバイス」と【PS4】本体の『Bluetooth』ワイヤレス接続は可能。
しかしゲームの音楽やボイスチャットの音声などに関係する、『Bluetooth』ヘッドセットや『Bluetooth』イヤホンなどは、そのままでは使うことができないのです。
【PS4】が『Bluetooth』オーディオ非対応な理由は遅延が関係していると推測
入力データより音楽データの方が重く、ワイヤレスで転送するのに時間がかかります。特にゲームの場合、映像と音声のタイミングが一致していないと違和感しか感じません。
例えば、映像としては目の前で大きな爆発が視界いっぱいに広がったとします。しかしもし音声が遅れて後から発生したとしたらどうでしょう。
目の前で爆発したからこそ視界いっぱいに広がっている爆発なのに、まるで遠くの爆発を見ているように音だけが遅れて聞こえるのです。
問題は違和感だけにとどまりません。FPSゲームにおいて裏を取られないよう立ち回ることはとても重要です。
しかしいつでも裏を取られない強ポジを陣取ることができるかどうかはわかりません。もし裏を取られやすい場所にいるのであれば、音だけを頼りに、後ろを警戒しつつ目の前の敵と交戦しなければなりません。
けどもし『Bluetooth』オーディオで音声を聞いていたらどうでしょう。足音が遅れて聞こえてくるのですから、音に気がついて振り向いた時にはもう撃たれているかもしれません。
このように『Bluetooth』オーディオには遅延という欠点があることを忘れてはいけません。
【PS4】で『Bluetooth』イヤホンを使いたいとお考えであれば、遅延が関係ない音楽鑑賞や、勝敗の関係ないゆったりプレイできるゲームをしている時にだけお勧めします。
ゲーミングヘッドセットのワイヤレスは『Bluetooth』ではない
映像と音声に関連性のない、BGMだけなっているようなゲームは別ですが、アクションや音ゲー、FPSなんかにおいては『Bluetooth』オーディオはお勧めできないとご説明させていただきました。
とはいえ「たくさんのワイヤレスゲーミングヘッドセットが販売されているではないか。」と思った方もいることでしょう。
しかし実は、ワイヤレスゲーミングヘッドセットのワイヤレスには、『Bluetooth』と言う名の通信規格が採用されていないのがスタンダードになっています。
例えばPS4純正のワイヤレスヘッドセット、ロジクールやRazer、HyperXなどの大手ゲーミングデバイスメーカーが販売するヘッドセットにもワイヤレスのものが販売されています。
でもご安心ください。これらは全て『Bluetooth』でワイヤレスを実現しているのではなく、遅延をほとんど発生させない、独自の2.4GHz通信にてワイヤレスを実現しています。
『Bluetooth』は全く関係ないのです。そしてほとんど遅延が発生しない仕様。この記事を見ている方の中にはワイヤレスヘッドセットをご利用の方もいらっしゃるかと思いますが、がっかりしなくても大丈夫です。
【PS4】で『Bluetooth』イヤホンを使う方法はカンタン! 外付けデバイスで機能を追加するだけ
世の中のデバイス全てが『Bluetooth』オーディオに対応しているわけではありません。
例えばあなたが使っているテレビやモニター、車内オーディオやスピーカーなんかも『Bluetooth』非対応のものが多いですし、同じ家庭用ゲーム機「Switch」も非対応です。
では、これら『Bluetooth』オーディオ非対応デバイスには、『Bluetooth』ワイヤレスイヤホンを使うことはできないのでしょうか。
実はカンタンに使えるようにできます。『Bluetooth』オーディオ非対応デバイスに、『Bluetooth』オーディオの機能を追加することのできる外付けデバイスが販売されているからです。
テレビやモニター、車内オーディオやスピーカー、Switchなんかに搭載される3.5mmジャックに外付けデバイスである『Bluetoothトランスミッター』を接続、ペアリングするだけです。
【PS4】に『Bluetooth』オーディオ機能を追加できる『Bluetoothトランスミッター(送信機)』とは
『Bluetoothトランスミッター(送信機)』とは、『Bluetooth』非対応の「音楽データ持ちデバイス」に接続することで『Bluetooth』送信機能を追加できる装置のことです。
「音楽データ持ちデバイス」とはここでは【PS4】のことを指します。【PS4】はゲームの音声データを持っていますが、『Bluetooth』オーディオ非対応なので、【PS4】単体では音楽をワイヤレスで飛ばすことができません。
そこで『Bluetoothトランスミッター』により『Bluetooth』機能を追加することで、『Bluetooth』受信機である『Bluetooth』イヤホンに音楽データを飛ばせるようにするのです。
『Bluetoothレシーバー(受信機)』との違いに注意
『Bluetoothレシーバー(受信機)』は『Bluetoothトランスミッター(送信機)』の逆。音楽を『Bluetooth』受信できるようにするための装置です。
そのため「音楽データ持ちデバイス」ではなく、音楽を鳴らすための装置・スピーカーや車内オーディオなんかに接続して使います。
例えばスマホは「音楽データ持ちデバイス」です。スマホの音楽を、『Bluetooth』非対応のスピーカーや車内オーディオで再生させるためには、3.5mmケーブルで有線接続しなければなりません。
しかし『Bluetoothレシーバー』を購入すれば、スピーカーや車内オーディオに『Bluetoothレシーバー』接続することで、スマホにもともと搭載される『Bluetooth』機能でスピーカーや車内オーディオに音楽データを飛ばすことができるようになるのです。
このように、『Bluetoothレシーバー(受信機)』と『Bluetoothトランスミッター(送信機)』には違いがありますので注意が必要です。
【PS4】は音楽データは持っているけど、『Bluetooth』オーディオ非対応なため音楽データを送信できないデバイス。必要なのは『Bluetoothトランスミッター(送信機)』です。
『Bluetoothトランスミッター&レシーバー』といったように、さまざまな『Bluetooth』非対応製品で活躍できる、両方の機能をもった製品も販売されています。
『Bluetoothトランスミッター』購入の際には「プロファイル」に注意
すでに軽くご説明しましたが、『Bluetooth』といっても全ての機能が使えるわけではなく、何ができて何ができないのかが異なります。「プロファイル」対応非対応についてです。
【PS4】で『Bluetooth』イヤホンを使えるようにするために『Bluetoothトランスミッター』を購入するのですから、音声関係の「プロファイル」に対応してものでなければ意味がありません。
そこでここでは、音声関連のデータをやりとりするのに必要な基本的「プロファイル」をご紹介します。
以下の「プロファイル」のうち、最低でも「A2DP」にだけ対応していれば【PS4】で『Bluetooth』イヤホンを使て音声を聞けるようになります。
A2DP | 高音質な音楽をステレオ再生可能にする |
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HSP | マイクとモノラル音声に対応 |
AVRCP | 再生/停止、曲送り/曲戻しなどの遠隔コントロールを可能にする |
HFP | スマホ向けの機能 HSPの機能に追加して通話発信なども可能に |
『Bluetoothトランスミッター』購入の際には「コーデック(圧縮方式)」にも注意
「コーデック」とは、重たい音楽データを軽くして『Bluetooth』で音声を伝送するため圧縮しますが、その圧縮方式のことを言います。
いくつかの種類がありますが、音質劣化と遅延が激しいタイプの「コーデック」と音質劣化が少なく遅延も少ないタイプの「コーデック」とあります。
ただしご利用の『Bluetooth』イヤホンも同じ「コーデック」に対応していないと意味がありませんので、『Bluetoothトランスミッター』を購入する前にしっかり確認しておきましょう。
例えば、「aptX」という名の「コーデック」にだけ対応した『Bluetoothトランスミッター』を購入しても、使うイヤホンが「aptX」非対応だと、圧縮された音楽データをイヤホンが復元できないので利用できません。
「aptX Low Latency(aptX LL)」対応の『Bluetooth』イヤホンをお持ちであれば、「aptX Low Latency(aptX LL)」対応の『Bluetoothトランスミッター』との組み合わせで、アクションゲームやFPSでも十分楽しめそうです。
SBC | スタンダードと言えるくらい全てのBluetoothオーディオに対応。音質劣化と遅延ある標準音質。 |
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AAC | Appleの製品に採用されるコーデック。SBCより音質劣化少ないけど遅延あり。 |
aptX | それなりのお値段するイヤホンに採用されるコーデック。ほぼCD音質で劣化なく、遅延も少ない。 |
aptX HD | 「aptX」より高音質でCD音質以上。遅延も少ない。 |
aptX Low Latency(LL) | ほぼCD音質なので「aptX」と同クラスだけど「aptX HD」以下の音質。しかし遅延が最も少ないのでゲームや動画鑑賞向け。 |
LDAC | 最も高音質のハイレゾ対応。SONYの製品に採用されている。 |
『Bluetoothトランスミッター』の『Bluetooth』バージョンは4.1以降がオススメ
『Bluetooth』は徐々にバージョンアップしていますので、『Bluetooth』デバイスによってバージョンが異なります。
ほとんどはバージョン4.0以降に対応していますが、『Bluetooth4.0』からが完成されていると言われているくらいですので、3.0以降のものはオススメしません。
オススメは、Bluetooth機器間での通信干渉が抑制されるバージョン4.1以降です。安定したワイヤレス通信が可能になります。
4.0 | 省電力の「BLE」に対応。 |
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4.1 | 4.0を高機能化。自動再生接続、LTE、Bluetooth機器間での通信干渉抑制。 |
4.2 | セキュリティの強化と転送速度の高速化。 |
5.0 | 4.0よりデータの転送速度2倍、通信範囲4倍。 |
『Bluetoothトランスミッター』の接続方式に注意
【PS4】で『Bluetooth』イヤホンを使えるようにするために必要な接続方法は2つあります。『Bluetoothトランスミッター』を、テレビ(モニター)に接続する方法と、【PS4】本体も直接接続する方法です。
3.5mmプラグ、RCAケーブルタイプのものであれば『Bluetoothトランスミッター』を、テレビ(モニター)に接続することになるかと思います。
USB接続タイプのものであれば【PS4】本体に直接接続可能です。
光デジタルケーブルに関してですが、【旧PS4】または【PS4 Pro】ご利用の方は、本体に直接接続して利用できます。
【PS4 Slim】ご利用の方だけは、光デジタル端子が搭載されていませんので、テレビ(モニター)側に接続する必要があります。
『Bluetoothトランスミッター(送信機)』のオススメ3選
Creative BT-W2 → BT-W3
Creative BT-W3 Bluetooth トランスミッター USB オーディオ/チャット用 ゲーム/テレワーク 低遅延 aptX LL…
※『BT-W3』は『BT-W2』の後継機です。
高級ゲーミングヘッドセットやアンプで有名な「Creative」の製品です。とても小さく、【PS4】本体に直接USB接続できます。
『Bluetooth』のバージョンは低めですが、コーデック(圧縮方式)が「aptX- Low Latency」に対応しているので、遅延ほとんどなくゲームできるところがポイントです。
※対応コーデック:FastStream, SBC, aptX, aptX- Low Latency
※イヤホンもaptXまたはaptX- Low Latencyに対応していないと高音質で音楽を聴くことはできません。
TaoTronics TT-BA12
コスパ最強のゲーミングデバイスを開発・販売する「TaoTronics(タオ トロニクス)」の製品です。コスパ最強ですから、高性能&多機能にも関わらず価格は4,000円をきります。
『Bluetooth』のバージョンは最新5.0対応。コーデック(圧縮方式)も「aptX- Low Latency」に対応しているのでゲームに最適。
レシーバー機能も搭載されていますので、スピーカーや車載オーディオに接続すれば、Bluetoothワイヤレス接続でスマホの音楽を聴くこともできます。
3.5mmまたはRCA経由で接続するタイプの『Bluetoothトランスミッター&レシーバー』なので、【PS4】で『Bluetooth』イヤホンを使えるようにする場合にはテレビ(モニター)に接続することになります。
※トランスミッターの対応コーデック:apt-X LL、apt-X、SBC、Faststream
※レシーバーの対応コーデック:SBC、CVSD
※イヤホンもaptXまたはaptX- Low Latencyに対応していないと高音質で音楽を聴くことはできません。
TaoTronics TT-BA09
【光デジタル端子】TaoTronics Bluetooth トランスミッター レシーバー aptx-LL 低延遅 Bluetooth 5.0 受信…
「TT-BA12」を大きくして、光デジタル接続に対応させたような製品が「TT-BA09」になります。メーカーと価格はほぼ同じ。
性能や機能もほぼ同じで、『Bluetooth5.0』、コーデック(圧縮方式)「aptX- Low Latency」対応の『Bluetoothトランスミッター&レシーバー』になります。
大きな違いは接続方式で、3.5mm音声ケーブルとAUX-RCAケーブルと光デジタルケーブル (TOSLINK)に対応しているので、【旧PS4】または【PS4 Pro】であれば直接接続可能。
大きさに比例しますが、「TT-BA12」は小さい分連続8時間再生できるバッテリーですが、大きいバッテリーを搭載できる「TT-BA09」の方は連続12時間です。
ただし両方充電しながら再生できるので安心です。
※トランスミッターの対応コーデック:apt-X LL、apt-X、SBC、Faststream
※レシーバーの対応コーデック:SBC
※イヤホンもaptXまたはaptX- Low Latencyに対応していないと高音質で音楽を聴くことはできません。