2019年5月23日発売、WQHD(2560×1440)/144Hz、FreeSync、応答速度1ms、DisplayHDR 400、DCI-P3 95%ゲーミングモニターAcer『XV272UPbmiiprzx』をご紹介します。
ぬるぬる動くWQHD(2560×1440)/リフレッシュレート144Hz
1秒間が60枚の静止画で動画を作ることができるのが一般的なテレビやモニターになります。リフレッシュレートは60Hzになります。
パラパラ漫画なんかより高速で切り替わるので動きがとても滑らかです。しかしゲームにおいては60Hzでは足りません。
カクカク動くこともありますし、120Hzと比べて遅延が2倍、144Hzと比べて遅延が2.4倍です。
リフレッシュレート144Hzとなると1秒間に144枚の静止画で構成されます。1秒間を60枚と144枚で割ると、60Hzは0.0167秒ごとに映像が切り替わり、144Hzは0.0069秒ごとに映像が切り替わります。
60Hzは144Hzに比べて0.0096秒も速く静止画が切り替わるのです。あなたがマウスやコントローラーで操作した命令が、画面に反映されるまでのタイムラグが違うのです。
当然ですが、60Hzでゲームする人より144Hzモニターでゲームする人の方がとても有利です。滑らかにぬるぬる動くゲーム体験が可能です。
スタッタリングとテアリングを防ぐ「AMD FreeSync」対応
ゲーミングPCに搭載されるグラフィックボードは、あなたの要求する解像度とフレームレートに合わせて描画します。
グラフィックの処理が重いなどの理由で、あなたの要求通り、しっかり要求するフレームレートに応えることができないこともあります。遅れてしまうのです。
144fpsの場合0.00694秒ごとに描画しなければならないところですが、処理に時間がかかって0.00695秒・0.00001秒遅れてしまうような場合です。
144Hzモニターの場合0.00694秒ごとに映像出力していますが、このタイミングを逃してしまうわけです。するとモニターは仕方なく前回出力した静止画をそのまま映し出します。
1枚分飛ばされるのです。これが「スタッタリング」現象。1枚分(ワンフレーム分/144Hzの場合0.00694秒)止まって見えますので、自分のキャラクターを動かしている時であれば、見えない壁に引っかかったように映ります。
ワンフレームの遅れたことになりますから、遅延は通常の2倍。144Hzから一瞬72Hzに低下するのです。0.00694秒ではなく、その2倍・0.01389秒の遅延。
PCとモニターとのタイミングのズレは、1つ前の静止画と現在の静止画、2枚の静止画を混ぜて描画・出力してしまうこともあります。
混ざっていますので、私たちには映像がズレたように見えます。これが「テアリング」現象。
「スタッタリング」と「テアリング」の発生が多いと、当然ですが勝敗を分ける対戦ゲームにおいて足を引っ張ります。
しかし「AMD FreeSync」対応ならそのリスクはほとんどありません。PCはPC、モニターはモニターで制御されていた144fps描画と144Hz出力が、一括してPCのGPUが指揮するのです。
「AMD FreeSync」は、AMD製のGPUであれば確実に機能します。今現在は、「NVIDIA GeForce」シリーズであってもほぼ「AMD FreeSync」が機能すると言われています。
※AMD製のGPUが搭載されるPCが必要です。
※2019年1月から、「G-SYNC Compatible Monitors」認定を受けた「FreeSync」対応モニターであれば、PCのグラフィックカードが「NVIDIA GeForce」シリーズであっても、NVIDIAコントロールパネルから設定することで可変リフレッシュレート型同期機能を有効にすることができるようになりました。
※「G-SYNC Compatible Monitors」認定を受けていない「FreeSync」対応モニターでも、「NVIDIA GeForce」シリーズで動作するようですが、画面が点滅、波、色の異常表示などの可能性があるとのこと。
※対応ドライバー「GeForce 417.71 Driver」
残像ないからエイムしやすい 応答速度1ms(0.001秒)
例えばキャラクターを高速で動かしている時、サッカー観戦中のボールや人の動き、レーシングゲーム中の周りの風景、かなりぼやけますよね。
モニター側の色の切り替え速度が、その動きの速さに追いついていないから発生する現象になります。まるで残像のように、輪郭がぼやけてしまうのです。
この状態では、エイムする際やレーシングで敵の車を抜き去る際にも困ります。色の切り替え速度は「応答速度」と呼ばれています。
一般的なテレビの「応答速度」は10〜20ms(0.01〜0.02秒)。それに比べて『XV272UPbmiiprzx』の応答速度は1ms(0.001秒)です。
10〜20倍も高速なので、残像少なくゲームでとても有利です。
「DisplayHDR 400」規格対応+11段階から黒の強弱を調節可能だから暗い場所でも撃ち負けない
人の目が認識できる明るさから暗さの範囲とモニターが表現できる明るさから暗さの範囲には大きな差があります。
「HDR」と記載ないテレビ(モニター)は「SDR」という規格。明るさから暗さの範囲が狭いので、「輝度」表現が苦手です。
なので暗いシーンが黒で塗りつぶされ多様な表現になり、視認性がとても悪いのです。何がどこにあるのかわからないのです。
「SDR」の最大輝度(最大の明るさ)は250〜300 cd/㎡くらい。最低輝度(最大の暗さ)は0.5〜0.6 nitで、黒表示時の四隅の最低輝度も0.5〜0.6 nitになります。
それに比べて「DisplayHDR 400」の最大輝度(最大の明るさ)は400 cd/㎡。最低輝度(最大の暗さ)は0.1 nitで、黒表示時の四隅の最低輝度は0.4 nitになります。
「SDR」に比べて、最大の明るさ表現と、最大の暗さ表現が得意なんです。暗さから明るさの範囲が広い。
また「DisplayHDR」規格は、黒から白への明るさの切り替え速度がとても早いです。そのため暗いシーンから明るいシーンに飛び出すような場合でも、真っ白でなかなか見えるようにならないといった心配もありません。
『XV272UPbmiiprzx』はそれだけでなく「Black Boost」機能も搭載されています。11段階から黒の強弱を調節し、暗がりの視認性を高めることができるのです。
約10億7000万色の滑らかなグラデーション
『XV272UPbmiiprzx』は、FPS向けの性能だけが高められてるわけではありません。対応する色の数は、一般的な約1,670万色ではなく、約10億7000万色です。
数の差を聞いただけでどれだけすごいのか想像つくかもしれませんが、具体的にはグラデーション表現が全く変わります。
約1,670万色の場合、同じ色は明暗差で256階調にしか分けることができません。それに比べて約10億7000万色の場合、同じ色が明暗差で1,024階調に分けることが可能です。
4倍もグラデーション表現に優れているのです。そのためグラフィックスの綺麗なRPGゲームにも『XV272UPbmiiprzx』はぴったりです。
色彩鮮やかな色域 DCI-P3 95%
人間の目が認識できる色の範囲とテレビ(モニター)が表現できる色の範囲は異なります。テレビ(モニター)によって、色の範囲が異なる「色域」規格を採用しています。
安いテレビ(モニター)の場合比較的範囲の狭い「色域」規格が採用されています。それに比べて『XV272UPbmiiprzx』の場合、それより19%も広い「DCI-P3 95%」に対応します。
人間の目が認識できる色の範囲により近いのです。
人間の目が認識できる色の範囲を数値化。そしてモニターで表現できる色の範囲も数値化。こうして本来の色をどの色で表現するのかすり合わせています。
人が知っている色に近い範囲の色表現が可能なモニターなので、色彩鮮やかな映像体験が可能となります。
ハイエンドゲーミングPC並みのスペックが必要
『XV272UPbmiiprzx』の性能・WQHD(2560×1440)/リフレッシュレート144Hzを最大限活かすためには、使うゲーミングPCの性能も必要です。
理想としてはハイエンドクラスのゲーミングPCが欲しいところです。
例えばグラフィックボードは最も高性能な「GeForce RTX 2080Ti」であれば、安定してWQHD/144Hz出力ができるでしょう。
より安定させたいなら2枚挿し。多少WQHD/144Hz出力できないゲームタイトルが増えても良い場合には、ワンランク下げて「GeForce RTX 2080」「GTX 1080Ti」「RTX 2070」くらいでも良いかと思います。
『XV272UPbmiiprzx』仕様
メーカー | Acer |
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ブランド | Acer |
シリーズ | XV2シリーズ |
発売日 | 2019年5月23日 |
種別 |
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最大解像度 | WQHD(2560×1440) |
ビット深度(最大表示色) | 10bit(約10億7000万色[8bit+FRC]) |
リフレッシュレート | 48〜144Hz |
応答速度 | 1 ms(VRB) |
色域 | DCI-P3 95% |
輝度(HDR) |
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コントラスト比 |
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入力端子 |
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音声入出力端子 | ヘッドフォン出力:3.5mm ステレオミニジャック |
スピーカー | 2W+2W(ステレオ) |
視野角(水平/垂直) | 178゜/178゜ |
サイズ(幅×高さ×奥行 単位:mm スタンド含む) | 約614 mm x 401-521 mm x 233 mm |
重量 | 約6.46kg |
消費電力 |
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HDCP | ○(HDCP2.2:○) |
ピボット機能 | 時計回り90°/反時計回り90° |
チルト機能 | 上20°/下5° |
スイベル機能 | 360° |
上下高さ調節 | 最大120㎜ |
フリッカー機能 | ○ |
ブルーライト軽減機能 | ○ |
壁掛け機能 | VESA規格 単位mm:100×100mm |
USB HUB機能 | USB3.0×4(1up 4down) |
保証期間 | 3年(パネル・バックライトユニットは1年) |
クレジット | © 2017 Acer Inc. |